「アレルギー対応してくれない」口コミへの返信テンプレ|食物アレルギークレーム対応
この記事は誰のため?
この記事は、Googleマップや食べログで「アレルギー対応してくれなかった」「原材料を教えてくれない」「事前確認したのに対応してもらえなかった」と書かれてしまった飲食店の経営者に向けて書かれています。
食物アレルギーは、命に関わる重大な問題です。しかし、小規模飲食店では、完全なアレルギー対応が難しいのも事実です。誤った対応をすると、アナフィラキシーショックなどの医療事故につながり、訴訟リスクもあります。
この記事を読むことで、アレルギークレームへの返信テンプレート、対応可能範囲の明示方法、法的リスクの回避方法が分かります。
公開返信テンプレ(アレルギークレーム用)

アレルギークレームの返信では、医療リスクと店舗の対応範囲を明確に伝えます。
返信テンプレート(アレルギー対応不可)
この度はご来店いただき、ありがとうございました。
アレルギー対応につきまして、ご期待に添えず申し訳ございませんでした。
当店は小規模な厨房で調理しており、完全なアレルゲン除去が難しいため、重度のアレルギーをお持ちのお客様への対応をお断りさせていただいております。
お客様の安全を第一に考えた判断であること、ご理解いただけますと幸いです。
[店舗名] 店長
返信テンプレート(原材料表示なし・確認不足)
この度はご来店いただき、ありがとうございました。
原材料のご案内が不十分で、申し訳ございませんでした。
現在、主要なアレルゲン(七大アレルゲン)につきましては、メニューに表記を追加いたしました。また、スタッフにお声がけいただければ、詳細な原材料をご案内させていただきます。
ご不便をおかけし、申し訳ございませんでした。
[店舗名] 店長
返信テンプレート(事前確認したのに対応なし)
この度はご来店いただき、ありがとうございました。
事前にご確認いただいたにも関わらず、当日対応できず申し訳ございませんでした。
スタッフ間の情報共有が不十分であったこと、深く反省しております。今後は、ご予約時のアレルギー情報を確実に引き継ぐ体制を整えます。
ご迷惑をおかけしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
[店舗名] 店長
返信テンプレート(代替メニュー提案・柔軟対応)
この度はご来店いただき、ありがとうございました。
アレルギー対応につきまして、ご説明が不十分で申し訳ございませんでした。
当店では、卵・乳製品抜きのメニューをご用意しております。また、事前にご相談いただければ、可能な範囲で代替メニューをご提案させていただきます。
次回ご来店の際は、お気軽にスタッフまでご相談ください。
[店舗名] 店長
アレルギークレームの種類別対応
💡 ヒント: 他の軽度クレームへの返信テンプレートは軽度クレーム対応一覧で確認できます。「待たされた」「態度が悪い」「清潔感がない」など19種類のテンプレートを用意しています。飲食店向けの対応は飲食店の口コミ対応もご参照ください。
クレームの種類によって、返信内容と改善策が異なります。
パターン1: 完全なアレルギー対応が不可能

小規模な厨房で調理器具を完全に分けられない、重度のアレルギー(微量でも反応する)への対応が難しい、アナフィラキシーショックのリスクを避けたいという状況があります。
このような場合、安全面を最優先にした判断であることを説明し、対応できない理由を明確に伝えます。また、顧客の安全を考えた決断であることを強調します。
返信テンプレート:
この度はご来店いただき、ありがとうございました。
アレルギー対応につきまして、ご期待に添えず申し訳ございませんでした。
当店は小規模な厨房で、調理器具や作業スペースを完全に分けることが難しく、微量のアレルゲン混入のリスクがございます。
お客様の安全を第一に考え、重度のアレルギーをお持ちの方への対応をお断りさせていただいております。
ご理解いただけますと幸いです。
[店舗名] 店長
パターン2: 原材料表示・アレルゲン表示なし
メニューに原材料・アレルゲンの表記がない、スタッフが原材料を把握していない、顧客が事前に確認できないという状況があります。
このような場合、表示不足を認めて改善を約束し、メニュー表記の追加を明記します。また、スタッフ教育の徹底を伝えることで、信頼を回復できます。
返信テンプレート:
この度はご来店いただき、ありがとうございました。
原材料のご案内が不十分で、申し訳ございませんでした。
ご指摘を受け、以下の改善を行いました。
【改善内容】
- メニューに七大アレルゲンの表記を追加
- 全スタッフに原材料の研修を実施
- 調理マニュアルにアレルゲン情報を追加
今後も安心してご利用いただけるよう努めてまいります。
[店舗名] 店長
パターン3: 事前確認したのに当日対応なし

予約時にアレルギーを伝えたが当日スタッフが把握していない、スタッフ間の情報共有ミス、代替メニューを用意していなかったという状況があります。
このような場合、情報共有ミスを認めて謝罪し、再発防止策を明記します。また、予約システムの改善を伝えることで、誠意を示せます。
返信テンプレート:
この度はご来店いただき、ありがとうございました。
事前にご確認いただいたにも関わらず、当日対応できず誠に申し訳ございませんでした。
スタッフ間の情報共有が不十分であったこと、深く反省しております。
【再発防止策】
- 予約台帳にアレルギー情報を必ず記載
- 当日の調理スタッフへの確実な引き継ぎ
- 予約確認時にアレルギー情報を再確認
今後このようなことがないよう、徹底してまいります。
[店舗名] 店長
パターン4: アレルギー対応可能だが案内不足
卵抜き、乳製品抜きなど一部対応可能だが、メニューに記載がなく顧客が知らない、スタッフも積極的に案内していないという状況があります。
このような場合、対応可能範囲を明記し、案内不足を認めて改善を約束します。また、事前相談を促すことで、トラブルを防げます。
返信テンプレート:
この度はご来店いただき、ありがとうございました。
アレルギー対応につきまして、ご案内が不十分で申し訳ございませんでした。
当店では、以下のアレルギー対応が可能です。
【対応可能なアレルギー】
- 卵抜き: 〇
- 乳製品抜き: 〇
- 小麦抜き: △(一部メニューのみ)
- えび・かに: ✕(厨房で使用のため、混入リスクあり)
事前にご相談いただければ、可能な範囲で代替メニューをご提案させていただきます。
[店舗名] 店長
絶対に書いてはいけないNG返信表現
アレルギークレームの返信には、法的リスクの高いNG表現があります。
NG例1: 「大丈夫です」と安易に保証する
「当店の料理にはアレルゲンは入っていませんので、大丈夫です」という表現は、微量でも混入していた場合、アナフィラキシーショックなどの医療事故につながり、訴訟リスクがあります。「絶対に大丈夫」とは言えません。
NG例2: 顧客の責任にする
「アレルギーをお持ちの方は、自己責任でお召し上がりください」という表現は、飲食店には提供する料理の安全性を確保する義務があります。「自己責任」と突き放すと、批判されます。
NG例3: アレルギーの重要性を軽視する
「少しくらいなら大丈夫でしょう」という表現は、アレルギーは命に関わる問題です。軽視する表現は、必ず炎上します。
NG例4: 他の客を引き合いに出す
「他のアレルギーのお客様は、問題なくお食事されています」という表現は、アレルギーの重症度は個人差があり、他の客と比較できません。
アレルギー対応の法的義務

飲食店には、食物アレルギーに関する表示義務があります。食品表示法による義務として、義務表示(七大アレルゲン)は特定原材料7品目で、卵、乳、小麦、そば、落花生(ピーナッツ)、えび、かにです。
推奨表示(21品目)として特定原材料に準ずるものは、大豆、牛肉、豚肉、鶏肉、あわび、いか、いくら、さけ、さば、オレンジ、キウイフルーツ、バナナ、もも、りんご、ゼラチン、カシューナッツ、ごま、アーモンド、くるみ、やまいも、まつたけです。
表示義務の範囲は、加工食品はパッケージに表示義務あり、外食(飲食店)は表示義務なし(ただし、可能な限り表示が推奨される)です。重要な点として、外食には法的な表示義務はありませんが、トラブル防止のため自主的に表示することが推奨されます。
アナフィラキシーショックのリスクとして、アレルギー対応を誤るとアナフィラキシーショックを引き起こし、最悪の場合死亡事故につながります。過去の事例として、2012年の学校給食でアナフィラキシーショック死亡事故、2019年の飲食店でアレルギー誤表示による重症事故があります。
飲食店の責任として、民事責任は損害賠償請求(数千万円〜)、刑事責任は業務上過失致死傷罪、行政処分は営業停止があります。
アレルギー対応を改善する方法

クレームを減らすための具体的な改善策です。メニューにアレルゲン表示として、メニューに七大アレルゲンの表示を追加します。表示例は、「Aランチ:ハンバーグ定食1,200円、アレルゲン:卵、乳、小麦、大豆、牛肉」です。注意点として、「含まれない」ではなく、「含まれる」アレルゲンを表示します。
調理マニュアルにアレルゲン情報を記載として、調理マニュアルに各料理に使用している原材料とアレルゲンを記載します。マニュアル例は、「ハンバーグ:原材料は牛ひき肉、玉ねぎ、パン粉、卵、牛乳、塩、こしょう、アレルゲンは卵、乳、小麦、大豆、牛肉、調理器具はフライパン(卵料理と共用)→卵アレルギーの場合、混入リスクあり」です。
スタッフ教育の徹底として、全スタッフにアレルギー対応の研修を実施します。研修内容は、七大アレルゲンの種類、アナフィラキシーショックの症状と対処法、アレルギー確認時の対応フロー、調理器具の洗浄徹底です。
ロールプレイングとして、「卵アレルギーがあるのですが、食べられるものはありますか?」「確認いたしますので、少々お待ちください」→調理スタッフに確認→「申し訳ございません。当店は卵を使用する料理が多く、調理器具の共用により混入リスクがございます。完全な除去は難しいため、安全のためお断りさせていただいております」という流れを練習します。
アレルギー対応メニューの開発として、アレルギー対応専用のメニューを開発します。対応メニュー例は、卵・乳製品不使用のハンバーグ、グルテンフリーのパスタ(米粉使用)、ヴィーガンメニュー(動物性食品不使用)です。注意点として、完全なアレルゲン除去が難しい場合は、「〇〇不使用」ではなく、「〇〇を使用していません(ただし、微量混入の可能性あり)」と明記します。
アレルギー確認のフロー
顧客からアレルギーの申し出があった場合の対応フローです。ステップ1としてアレルゲンの種類を確認します。「アレルギーをお持ちとのことですが、どの食材にアレルギーがございますか?」「卵アレルギーです」「重症度はいかがでしょうか?微量でも反応されますか?」と確認します。
ステップ2として調理スタッフに確認します。「少々お待ちください。調理スタッフに確認いたします」→厨房に確認→調理マニュアルでアレルゲンを確認します。
ステップ3として対応可否を伝えます。対応可能な場合は、「卵を使用していないメニューは、〇〇と△△がございます。ただし、調理器具は他の料理と共用のため、微量の混入リスクがございます。ご了承いただけますでしょうか?」と伝えます。
対応不可の場合は、「申し訳ございません。当店は卵を使用する料理が多く、調理器具の共用により混入リスクがございます。お客様の安全を考え、完全な除去は難しいため、お断りさせていただいております」と伝えます。
次のステップ
アレルギー対応をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
- 飲食店向け口コミ対応|食中毒・衛生面のクレームへの正しい返信方法
- 「料理がまずい」「味が薄い」口コミへの返信テンプレ|飲食店の味クレーム対応
- 口コミ返信を効率化する方法|テンプレート管理とスタッフ教育マニュアル
免責
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。アレルギー対応は、医療リスクを伴います。専門家(栄養士、弁護士等)にご相談ください。
また、食品表示法は改正される可能性があります。最新の情報は、消費者庁のウェブサイトをご確認ください。
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