競合による嫌がらせレビュー対処法|同業者の組織的な低評価★1攻撃への証拠収集と法的対応
この記事は誰のため?
この記事は、Googleマップや食べログで、競合店から組織的に★1レビューを投稿されていると疑われる店舗オーナー・店長に向けて書かれています。
「同じ時期に複数の★1レビューが集中している」「来店記録のない低評価が続く」「ライバル店が開店した直後から評価が急落した」といった状況は、競合による嫌がらせの可能性があります。
この記事を読むことで、嫌がらせレビューを見分ける方法、証拠収集の手順、法的対応の流れ、そしてプラットフォームへの効果的な削除依頼方法が分かります。
競合による嫌がらせレビューの特徴
通常のクレームと、競合による嫌がらせレビューは、以下のような違いがあります。
嫌がらせレビューの典型的なパターン
| パターン | 具体例 | 嫌がらせの可能性 |
|---|---|---|
| 短期間に集中 | 1週間以内に★1レビューが5件以上 | 高 |
| 来店記録がない | 予約システムやPOSに記録なし | 高 |
| 投稿時間が深夜 | 午前2時〜5時など、通常来店しない時間帯 | 中 |
| 文章が似ている | 表現や指摘内容が酷似している | 高 |
| 新規アカウント | Googleアカウント作成直後の投稿 | 中 |
| 他店を褒める | 「近くの〇〇店の方が良い」と競合店を推奨 | 非常に高 |
| レビュー履歴なし | 投稿者の他のレビューが一切ない | 中 |
事例: 競合店オープン直後に★1レビューが急増
状況:
- 自店から徒歩5分の場所に同業態の競合店がオープン
- オープンの1週間後から、★1レビューが7件集中
- いずれも「接客が悪い」「料理がまずい」という曖昧な内容
- 予約システムを確認したが、該当する来店記録なし
判断: このケースは、競合店による組織的な嫌がらせレビューの可能性が非常に高いです。
証拠収集の手順(法的対応の前提)
💡 ヒント: 軽度のクレームへの対応は軽度クレーム対応一覧をご覧ください。エスカレーション対応の他のケースはエスカレーション対応一覧で確認できます。営業妨害対応は営業妨害対応マニュアル、発信者特定は発信者情報開示請求もご参照ください。
嫌がらせレビューだと主張するには、客観的な証拠が必要です。以下の手順で証拠を集めます。
ステップ1: 来店記録の確認
まず、レビューに書かれている内容と、実際の来店記録を照合します。
確認すべきデータ:
- 予約システムの記録
- POSシステムのオーダー履歴
- 防犯カメラの映像(該当日時)
- クレジットカード決済の記録
証拠として残す方法:
- スクリーンショットをPDF化
- 防犯カメラ映像をDVDに保存
- 予約システムのログをCSVでエクスポート
ステップ2: 投稿パターンの分析
複数の★1レビューがある場合、投稿パターンを分析します。
分析項目:
| 項目 | 分析内容 | 嫌がらせの兆候 |
|---|---|---|
| 投稿日時 | 日付と時刻のパターン | 同じ日や連続した日に集中 |
| 投稿者名 | アカウント名の傾向 | 「ユーザー12345」など自動生成風 |
| 文章の類似性 | 表現や語彙の重複 | ほぼ同じ表現が繰り返される |
| 他のレビュー | 投稿者の他店へのレビュー | 一切レビューがない |
| 評価点数 | ★の数 | 全て★1または★2 |
ステップ3: IPアドレスの調査(弁護士経由)
Googleマップや食べログは、投稿者のIPアドレスを公開していません。しかし、弁護士を通じて「発信者情報開示請求」を行うことで、IPアドレスを特定できます。
IPアドレスで分かること:
- 複数のレビューが同じIPアドレスから投稿されている(自作自演の証拠)
- 投稿元が競合店の住所と一致している(嫌がらせの証拠)
- 投稿元が海外や代行業者のIPアドレス(組織的な攻撃の証拠)
費用: 1件あたり30万円〜50万円(弁護士費用含む)
ステップ4: 競合店の動向調査
競合店が関与している可能性がある場合、以下の調査を行います。
調査内容:
- 競合店のオープン日と、★1レビュー急増のタイミングを照合
- 競合店のSNSやウェブサイトで、自店への言及がないか確認
- 競合店の従業員や関係者のGoogleアカウントを特定(可能であれば)
- 業界内での評判や過去の問題行動を調査
プラットフォームへの削除依頼
証拠が揃ったら、Googleマップや食べログに削除依頼を出します。
Googleマップへの削除依頼手順
ステップ1: 不適切なレビューとして報告
各レビューの「…」メニューから「レビューを報告」を選択し、以下の理由を選びます。
- 「スパムまたは虚偽のコンテンツ」
- 「利害に関する問題」
ステップ2: 詳細な申請文を提出
Google ビジネスプロフィールのサポートに、以下の内容を含む削除依頼を提出します。
申請文の例:
下記のレビューは、競合店による組織的な嫌がらせと判断されるため、削除をお願いいたします。
【削除を依頼するレビュー】
- 投稿者A: 2025年1月1日投稿「接客が悪い」
- 投稿者B: 2025年1月2日投稿「料理がまずい」
- 投稿者C: 2025年1月3日投稿「二度と行かない」
【削除を依頼する理由】
1. 来店記録がない: 予約システムおよびPOSデータを確認したが、該当日の来店記録なし
2. 投稿パターンの異常性: 3日間連続で★1レビューが投稿されている
3. 文章の類似性: 全てのレビューが「〜が悪い」という同じ文末表現を使用
4. 競合店との関連性: 近隣の競合店オープン直後からレビューが急増
【証拠】
- 予約システムのログ(該当日に予約なし)
- POSデータ(該当日のオーダー記録なし)
- 投稿パターンの分析表(添付)
ステップ3: 承認率を高めるポイント
Googleマップの削除申請は、以下のポイントを押さえると承認率が上がります。
- 客観的な証拠を提出する: 予約システムのログ、POSデータなど
- 複数のレビューをまとめて申請する: 1件ずつではなく、組織的な攻撃として申請
- 感情的にならない: 「許せない」などの表現は避け、淡々と事実を書く
- Googleポリシー違反を明確に指摘する: 「スパム」「利害関係者によるレビュー」など
食べログへの削除依頼手順
食べログの削除申請は、Googleマップより承認基準が厳しいと言われています。
申請方法:
- 食べログの「お問い合わせフォーム」から申請
- 「利害関係者によるレビュー」として報告
- 証拠(来店記録なし、IPアドレスの一致など)を添付
食べログ独自の注意点:
- 「口コミガイドライン」に違反していることを明確に指摘する
- 弁護士名義で申請すると、承認率が上がる傾向がある
法的対応の流れ(不正競争防止法・営業妨害)
プラットフォームの削除申請が承認されない場合、法的手段を取ります。
適用される法律
競合による嫌がらせレビューは、以下の法律に違反する可能性があります。
| 法律 | 該当する行為 | 罰則・損害賠償 |
|---|---|---|
| 不正競争防止法 | 虚偽の事実を流布し、競争者の営業上の信用を害する行為 | 損害賠償請求、差止請求 |
| 業務妨害罪(刑法233条) | 虚偽の風説を流布し、業務を妨害する行為 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| 名誉毀損罪(刑法230条) | 公然と事実を摘示し、名誉を毀損する行為 | 3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金 |
法的対応の手順
ステップ1: 弁護士に相談する
嫌がらせレビューの証拠を持って、弁護士に相談します。
相談時に持参するもの:
- レビューのスクリーンショット
- 来店記録なしの証拠
- 投稿パターンの分析資料
- 競合店との関連性を示す資料
弁護士費用の目安:
- 初回相談: 無料〜1万円
- 発信者情報開示請求: 30万円〜50万円/件
- 損害賠償請求訴訟: 50万円〜100万円
ステップ2: 発信者情報開示請求
弁護士を通じて、Googleや食べログに「発信者情報開示請求」を行います。
開示される情報:
- 投稿者のIPアドレス
- 投稿時刻
- 使用端末の情報
期間: 申請から開示まで3ヶ月〜6ヶ月
ステップ3: プロバイダへの開示請求
IPアドレスが分かったら、プロバイダ(NTT、ソフトバンクなど)に「契約者情報の開示請求」を行います。
開示される情報:
- 契約者の氏名
- 契約者の住所
- 契約者の電話番号
期間: 申請から開示まで3ヶ月〜6ヶ月
ステップ4: 損害賠償請求
投稿者が特定できたら、損害賠償請求を行います。
請求できる損害:
- 売上減少分(★1レビューにより客足が減った証拠が必要)
- 評判回復のための広告費用
- 精神的苦痛に対する慰謝料
- 弁護士費用
損害賠償の相場: 50万円〜300万円(ケースによる)
公開返信テンプレ(嫌がらせレビュー用)
嫌がらせレビューへの公開返信では、以下の点に注意します。
返信の基本方針
- 感情的にならない: 「嫌がらせだ」と書くと、逆に炎上するリスクがある
- 事実を淡々と書く: 来店記録がないことを、客観的に伝える
- 法的対応を示唆する: 「弁護士に相談中」と書くことで、抑止効果がある
返信テンプレート(来店記録なしの場合)
この度はご連絡いただき、ありがとうございます。
当店の予約システムおよびオーダーシステムを確認いたしましたが、該当する日時のご来店記録を確認することができませんでした。
もしご来店日時や予約名義に誤りがある場合は、お手数ですが当店まで直接ご連絡いただけますでしょうか。
なお、来店事実が確認できない不正なレビューにつきましては、弁護士と相談の上、適切な対応を取らせていただいております。
[店舗名] 店長
返信テンプレート(複数の★1レビューが集中している場合)
この度はご来店いただき、ありがとうございました。
当店では全てのお客様に満足いただけるよう、日々サービス向上に努めております。
近日中に複数の低評価レビューをいただいておりますが、当店の予約・オーダーシステムを確認したところ、一部のレビューについては来店記録を確認できないものがございます。
不正なレビューにつきましては、プラットフォーム運営会社および弁護士と相談の上、適切な対応を取らせていただいております。
[店舗名] 店長
絶対に書いてはいけないNG表現
以下の表現は、逆効果になる可能性が高いため避けてください。
NG例1: 競合店を名指しする
「近隣の〇〇店による嫌がらせと思われます」
リスク: 名誉毀損で逆に訴えられる可能性があります。証拠がない段階で名指しするのは危険です。
NG例2: 感情的に反論する
「嘘のレビューを書くのはやめてください!」
リスク: 感情的な返信は、第三者から見て「店側も問題がある」と思われます。
嫌がらせレビューを予防する方法
競合からの嫌がらせを完全に防ぐことは難しいですが、以下の対策でリスクを減らせます。
予防策1: 高評価レビューを増やす
★4〜★5の高評価レビューが多いと、数件の★1レビューが来ても、全体評価への影響が小さくなります。
方法:
- 満足したお客様に「もしよろしければ、レビューをお願いできますか」と丁寧に依頼
- QRコードを印刷したカードを会計時に渡す
- 常連客にメールやLINEでレビュー依頼
予防策2: 来店記録を徹底的に残す
嫌がらせレビューが来た時に証拠として使えるよう、以下の記録を残します。
- 予約システムの導入(紙の予約台帳だけでは証拠として弱い)
- POSシステムでオーダー記録を保存
- 防犯カメラの設置(最低1ヶ月間は映像を保存)
予防策3: プラットフォームの監視を強化
毎日、Googleマップと食べログをチェックし、★1レビューが来たらすぐに気づける体制を作ります。
方法:
- Googleアラートで店舗名を登録
- レビュー通知をメールで受け取る設定にする
- 週1回、スタッフ全員でレビューを確認する
次のステップ
競合による嫌がらせレビューへの対応をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
- 誹謗中傷口コミへの法的対応|弁護士費用と発信者情報開示請求の手順
- 事実と違う口コミを書かれた時の対応|公開返信と削除依頼の進め方
- Googleマップ口コミの削除依頼マニュアル|申請手順と承認率を高めるコツ
免責
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。競合による嫌がらせが疑われる場合は、必ず弁護士にご相談ください。
また、法的手続きや損害賠償の金額は、ケースによって異なります。詳細は弁護士にご確認ください。
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