#嫌がらせレビュー#競合対策#不正競争防止法#発信者特定#営業妨害

競合による嫌がらせレビュー対処法|同業者の組織的な低評価★1攻撃への証拠収集と法的対応

✍️編集部

この記事は誰のため?

この記事は、Googleマップや食べログで、競合店から組織的に★1レビューを投稿されていると疑われる店舗オーナー・店長に向けて書かれています。

「同じ時期に複数の★1レビューが集中している」「来店記録のない低評価が続く」「ライバル店が開店した直後から評価が急落した」といった状況は、競合による嫌がらせの可能性があります。

この記事を読むことで、嫌がらせレビューを見分ける方法、証拠収集の手順、法的対応の流れ、そしてプラットフォームへの効果的な削除依頼方法が分かります。


競合による嫌がらせレビューの特徴

通常のクレームと、競合による嫌がらせレビューは、以下のような違いがあります。

嫌がらせレビューの典型的なパターン

パターン 具体例 嫌がらせの可能性
短期間に集中 1週間以内に★1レビューが5件以上
来店記録がない 予約システムやPOSに記録なし
投稿時間が深夜 午前2時〜5時など、通常来店しない時間帯
文章が似ている 表現や指摘内容が酷似している
新規アカウント Googleアカウント作成直後の投稿
他店を褒める 「近くの〇〇店の方が良い」と競合店を推奨 非常に高
レビュー履歴なし 投稿者の他のレビューが一切ない

事例: 競合店オープン直後に★1レビューが急増

状況:

  • 自店から徒歩5分の場所に同業態の競合店がオープン
  • オープンの1週間後から、★1レビューが7件集中
  • いずれも「接客が悪い」「料理がまずい」という曖昧な内容
  • 予約システムを確認したが、該当する来店記録なし

判断: このケースは、競合店による組織的な嫌がらせレビューの可能性が非常に高いです。


証拠収集の手順(法的対応の前提)

💡 ヒント: 軽度のクレームへの対応は軽度クレーム対応一覧をご覧ください。エスカレーション対応の他のケースはエスカレーション対応一覧で確認できます。営業妨害対応は営業妨害対応マニュアル、発信者特定は発信者情報開示請求もご参照ください。

嫌がらせレビューだと主張するには、客観的な証拠が必要です。以下の手順で証拠を集めます。

ステップ1: 来店記録の確認

まず、レビューに書かれている内容と、実際の来店記録を照合します。

確認すべきデータ:

  • 予約システムの記録
  • POSシステムのオーダー履歴
  • 防犯カメラの映像(該当日時)
  • クレジットカード決済の記録

証拠として残す方法:

  • スクリーンショットをPDF化
  • 防犯カメラ映像をDVDに保存
  • 予約システムのログをCSVでエクスポート

ステップ2: 投稿パターンの分析

複数の★1レビューがある場合、投稿パターンを分析します。

分析項目:

項目 分析内容 嫌がらせの兆候
投稿日時 日付と時刻のパターン 同じ日や連続した日に集中
投稿者名 アカウント名の傾向 「ユーザー12345」など自動生成風
文章の類似性 表現や語彙の重複 ほぼ同じ表現が繰り返される
他のレビュー 投稿者の他店へのレビュー 一切レビューがない
評価点数 ★の数 全て★1または★2

ステップ3: IPアドレスの調査(弁護士経由)

Googleマップや食べログは、投稿者のIPアドレスを公開していません。しかし、弁護士を通じて「発信者情報開示請求」を行うことで、IPアドレスを特定できます。

IPアドレスで分かること:

  • 複数のレビューが同じIPアドレスから投稿されている(自作自演の証拠)
  • 投稿元が競合店の住所と一致している(嫌がらせの証拠)
  • 投稿元が海外や代行業者のIPアドレス(組織的な攻撃の証拠)

費用: 1件あたり30万円〜50万円(弁護士費用含む)

ステップ4: 競合店の動向調査

競合店が関与している可能性がある場合、以下の調査を行います。

調査内容:

  • 競合店のオープン日と、★1レビュー急増のタイミングを照合
  • 競合店のSNSやウェブサイトで、自店への言及がないか確認
  • 競合店の従業員や関係者のGoogleアカウントを特定(可能であれば)
  • 業界内での評判や過去の問題行動を調査

プラットフォームへの削除依頼

証拠が揃ったら、Googleマップや食べログに削除依頼を出します。

Googleマップへの削除依頼手順

ステップ1: 不適切なレビューとして報告

各レビューの「…」メニューから「レビューを報告」を選択し、以下の理由を選びます。

  • 「スパムまたは虚偽のコンテンツ」
  • 「利害に関する問題」

ステップ2: 詳細な申請文を提出

Google ビジネスプロフィールのサポートに、以下の内容を含む削除依頼を提出します。

申請文の例:

下記のレビューは、競合店による組織的な嫌がらせと判断されるため、削除をお願いいたします。

【削除を依頼するレビュー】
- 投稿者A: 2025年1月1日投稿「接客が悪い」
- 投稿者B: 2025年1月2日投稿「料理がまずい」
- 投稿者C: 2025年1月3日投稿「二度と行かない」

【削除を依頼する理由】
1. 来店記録がない: 予約システムおよびPOSデータを確認したが、該当日の来店記録なし
2. 投稿パターンの異常性: 3日間連続で★1レビューが投稿されている
3. 文章の類似性: 全てのレビューが「〜が悪い」という同じ文末表現を使用
4. 競合店との関連性: 近隣の競合店オープン直後からレビューが急増

【証拠】
- 予約システムのログ(該当日に予約なし)
- POSデータ(該当日のオーダー記録なし)
- 投稿パターンの分析表(添付)

ステップ3: 承認率を高めるポイント

Googleマップの削除申請は、以下のポイントを押さえると承認率が上がります。

  1. 客観的な証拠を提出する: 予約システムのログ、POSデータなど
  2. 複数のレビューをまとめて申請する: 1件ずつではなく、組織的な攻撃として申請
  3. 感情的にならない: 「許せない」などの表現は避け、淡々と事実を書く
  4. Googleポリシー違反を明確に指摘する: 「スパム」「利害関係者によるレビュー」など

食べログへの削除依頼手順

食べログの削除申請は、Googleマップより承認基準が厳しいと言われています。

申請方法:

  1. 食べログの「お問い合わせフォーム」から申請
  2. 「利害関係者によるレビュー」として報告
  3. 証拠(来店記録なし、IPアドレスの一致など)を添付

食べログ独自の注意点:

  • 「口コミガイドライン」に違反していることを明確に指摘する
  • 弁護士名義で申請すると、承認率が上がる傾向がある

法的対応の流れ(不正競争防止法・営業妨害)

プラットフォームの削除申請が承認されない場合、法的手段を取ります。

適用される法律

競合による嫌がらせレビューは、以下の法律に違反する可能性があります。

法律 該当する行為 罰則・損害賠償
不正競争防止法 虚偽の事実を流布し、競争者の営業上の信用を害する行為 損害賠償請求、差止請求
業務妨害罪(刑法233条) 虚偽の風説を流布し、業務を妨害する行為 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
名誉毀損罪(刑法230条) 公然と事実を摘示し、名誉を毀損する行為 3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金

法的対応の手順

ステップ1: 弁護士に相談する

嫌がらせレビューの証拠を持って、弁護士に相談します。

相談時に持参するもの:

  • レビューのスクリーンショット
  • 来店記録なしの証拠
  • 投稿パターンの分析資料
  • 競合店との関連性を示す資料

弁護士費用の目安:

  • 初回相談: 無料〜1万円
  • 発信者情報開示請求: 30万円〜50万円/件
  • 損害賠償請求訴訟: 50万円〜100万円

ステップ2: 発信者情報開示請求

弁護士を通じて、Googleや食べログに「発信者情報開示請求」を行います。

開示される情報:

  • 投稿者のIPアドレス
  • 投稿時刻
  • 使用端末の情報

期間: 申請から開示まで3ヶ月〜6ヶ月

ステップ3: プロバイダへの開示請求

IPアドレスが分かったら、プロバイダ(NTT、ソフトバンクなど)に「契約者情報の開示請求」を行います。

開示される情報:

  • 契約者の氏名
  • 契約者の住所
  • 契約者の電話番号

期間: 申請から開示まで3ヶ月〜6ヶ月

ステップ4: 損害賠償請求

投稿者が特定できたら、損害賠償請求を行います。

請求できる損害:

  • 売上減少分(★1レビューにより客足が減った証拠が必要)
  • 評判回復のための広告費用
  • 精神的苦痛に対する慰謝料
  • 弁護士費用

損害賠償の相場: 50万円〜300万円(ケースによる)


公開返信テンプレ(嫌がらせレビュー用)

嫌がらせレビューへの公開返信では、以下の点に注意します。

返信の基本方針

  1. 感情的にならない: 「嫌がらせだ」と書くと、逆に炎上するリスクがある
  2. 事実を淡々と書く: 来店記録がないことを、客観的に伝える
  3. 法的対応を示唆する: 「弁護士に相談中」と書くことで、抑止効果がある

返信テンプレート(来店記録なしの場合)

この度はご連絡いただき、ありがとうございます。

当店の予約システムおよびオーダーシステムを確認いたしましたが、該当する日時のご来店記録を確認することができませんでした。

もしご来店日時や予約名義に誤りがある場合は、お手数ですが当店まで直接ご連絡いただけますでしょうか。

なお、来店事実が確認できない不正なレビューにつきましては、弁護士と相談の上、適切な対応を取らせていただいております。

[店舗名] 店長

返信テンプレート(複数の★1レビューが集中している場合)

この度はご来店いただき、ありがとうございました。

当店では全てのお客様に満足いただけるよう、日々サービス向上に努めております。

近日中に複数の低評価レビューをいただいておりますが、当店の予約・オーダーシステムを確認したところ、一部のレビューについては来店記録を確認できないものがございます。

不正なレビューにつきましては、プラットフォーム運営会社および弁護士と相談の上、適切な対応を取らせていただいております。

[店舗名] 店長

絶対に書いてはいけないNG表現

以下の表現は、逆効果になる可能性が高いため避けてください。

NG例1: 競合店を名指しする

「近隣の〇〇店による嫌がらせと思われます」

リスク: 名誉毀損で逆に訴えられる可能性があります。証拠がない段階で名指しするのは危険です。

NG例2: 感情的に反論する

「嘘のレビューを書くのはやめてください!」

リスク: 感情的な返信は、第三者から見て「店側も問題がある」と思われます。


嫌がらせレビューを予防する方法

競合からの嫌がらせを完全に防ぐことは難しいですが、以下の対策でリスクを減らせます。

予防策1: 高評価レビューを増やす

★4〜★5の高評価レビューが多いと、数件の★1レビューが来ても、全体評価への影響が小さくなります。

方法:

  • 満足したお客様に「もしよろしければ、レビューをお願いできますか」と丁寧に依頼
  • QRコードを印刷したカードを会計時に渡す
  • 常連客にメールやLINEでレビュー依頼

予防策2: 来店記録を徹底的に残す

嫌がらせレビューが来た時に証拠として使えるよう、以下の記録を残します。

  • 予約システムの導入(紙の予約台帳だけでは証拠として弱い)
  • POSシステムでオーダー記録を保存
  • 防犯カメラの設置(最低1ヶ月間は映像を保存)

予防策3: プラットフォームの監視を強化

毎日、Googleマップと食べログをチェックし、★1レビューが来たらすぐに気づける体制を作ります。

方法:

  • Googleアラートで店舗名を登録
  • レビュー通知をメールで受け取る設定にする
  • 週1回、スタッフ全員でレビューを確認する

次のステップ

競合による嫌がらせレビューへの対応をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。


免責

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。競合による嫌がらせが疑われる場合は、必ず弁護士にご相談ください。

また、法的手続きや損害賠償の金額は、ケースによって異なります。詳細は弁護士にご確認ください。

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