#脅迫#恐喝#警察#弁護士#刑事告訴

「金払え」「訴える」脅迫・恐喝レビュー緊急対応マニュアル|警察・弁護士連携

✍️編集部

この記事は誰のため?

この記事は、Googleマップや口コミサイトで「金を払わないと低評価を消さない」「訴えてやる」「店を潰す」などの脅迫・恐喝的なレビューを受けた店舗経営者に向けて書かれています。

脅迫・恐喝は刑法違反であり、警察への被害届提出や刑事告訴が可能です。しかし、対応を誤ると証拠が消されたり、逆に名誉毀損で訴えられるリスクがあります。

この記事を読むことで、脅迫レビューへの緊急対応手順、警察・弁護士との連携方法、証拠保全の仕方、削除申請の流れが分かります。


脅迫・恐喝レビューとは?

対応フローチャート

脅迫・恐喝レビューは、以下のような内容を含む口コミです。これらの表現は刑法上の犯罪に該当する可能性があり、民事的な削除請求だけでなく、刑事告訴の対象にもなります。

脅迫罪(刑法222条)に該当する可能性がある表現

脅迫罪は、生命、身体、自由、名誉または財産に対し害を加える旨を告知することで成立します。法定刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

具体的には「このレビューを消したければ金を払え」「店を潰してやる」「経営者の自宅を晒してやる」「お前の家族に危害を加える」「従業員を全員クビにしてやる」といった表現が該当します。これらは単なる悪口ではなく、明確な害悪の告知として刑事罰の対象となります。

恐喝罪(刑法249条)に該当する可能性がある表現

恐喝罪は、人を恐喝して財物を交付させること、または財産上不法の利益を得ることで成立します。法定刑は10年以下の懲役と、脅迫罪よりも重い刑罰が科されます。

具体的には「10万円払えば低評価を消してやる」「謝罪料として5万円用意しろ」「示談金を払わないとネットで拡散する」「無料で商品をよこせ、さもないと悪評を広める」といった表現が該当します。金銭や財産上の利益を要求する点が脅迫罪との大きな違いです。

業務妨害罪(刑法233条)に該当する可能性がある表現

対応フローチャート

偽計業務妨害罪は、虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の業務を妨害することで成立します。法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

具体的には「この店は食中毒を隠蔽している」「この店は不法移民を雇っている」「保健所から営業停止命令が出ている」といった虚偽の情報が該当します。これらの投稿が虚偽である場合、業務妨害罪として刑事責任を問うことができます。


緊急対応フローチャート

脅迫・恐喝レビューを受けた場合、冷静かつ迅速に対応する必要があります。以下の順序で対応することで、法的措置を有利に進めることができます。

ステップ1: 証拠保全(最優先)

対応フローチャート

証拠保全は最優先で行う必要があります。相手に気づかれる前に証拠を保全してください。返信や削除申請をすると、相手が投稿を消す可能性があります。

まずスクリーンショットを撮影します。レビュー全文、投稿者のアカウント情報、投稿日時、URLも含めて撮影してください。次にウェブ魚拓を利用します。archive.org(https://archive.org/web/)やarchive.md(https://archive.md/)に保存することで、削除されても証拠が残ります。

さらにDMやメールがある場合は全て保存してください。ヘッダー情報も含めて保存し、PDFで出力して保管します。これらの証拠は、警察や弁護士に相談する際に必須となります。

ステップ2: 警察への相談・被害届提出

警察への相談は、脅迫・恐喝の証拠が明確な場合に有効です。相談先は所轄の警察署(生活安全課)、サイバー犯罪相談窓口(都道府県警察本部)、または警察相談専用電話#9110です。

持参すべき証拠は、スクリーンショット(印刷したもの)、ウェブ魚拓のURL、DM・メールの記録、被害状況をまとめたメモです。被害届には、いつ(投稿日時)、どこで(Googleマップ、食べログ等のプラットフォーム)、誰が(投稿者のアカウント名・ID)、何をした(脅迫・恐喝の具体的内容)、被害状況(売上減少、精神的苦痛等)を記載します。

警察の対応は状況により異なります。脅迫・恐喝の証拠が明確な場合は被害届が受理され、捜査が開始されます。証拠が不十分な場合は相談扱いとなり、様子見となることもあります。民事不介入と判断された場合は、弁護士への相談を勧められます。

ステップ3: 弁護士への相談

対応フローチャート

弁護士への相談は、警察が動いてくれない場合、金銭要求が具体的な場合、民事訴訟を検討する場合に必要です。

弁護士を選ぶ際は、インターネット法務に詳しい弁護士、刑事告訴の経験がある弁護士、削除請求(発信者情報開示請求)の実績がある弁護士を選びましょう。

相談料の目安は、初回相談が30分5,000円から1万円(無料相談もあり)、削除請求が10万円から30万円、発信者情報開示請求が50万円から100万円、刑事告訴状の作成が20万円から50万円です。

ステップ4: プラットフォームへの削除申請

Googleマップの場合、まずGoogle マイビジネスにログインし、該当レビューを選択します。次に「不適切なクチコミとして報告」をクリックし、報告理由として「嫌がらせや暴力的な言葉」を選択します。

削除が認められやすいケースは、明確な脅迫・恐喝表現がある場合、金銭要求が書かれている場合、個人情報(住所・電話番号等)が晒されている場合です。一方、単なる悪口や不満(「最悪の店」等)、主観的な評価(「まずい」「高い」等)は削除が認められにくい傾向があります。

削除までの期間は通常3日から2週間ですが、緊急性が高い場合は早まることもあります。

ステップ5: 発信者情報開示請求(必要に応じて)

対応フローチャート

発信者情報開示請求は、プラットフォームに投稿者の情報開示を求める法的手続きです。まずプラットフォーム(Google等)に仮処分申請を行い、IPアドレス・タイムスタンプを取得します。次にインターネットプロバイダ(ISP)に本開示請求を行い、投稿者の氏名・住所を特定します。最後に民事訴訟(損害賠償請求)または刑事告訴を行います。

費用は50万円から100万円(弁護士費用含む)、期間は6ヶ月から1年が目安です。


絶対にやってはいけないNG対応

💡 ヒント: 軽度のクレームへの対応は軽度クレーム対応一覧をご覧ください。エスカレーション対応の他のケースはエスカレーション対応一覧で確認できます。名誉毀損対応は名誉毀損対応マニュアル、削除申請はGoogle口コミ削除依頼もご参照ください。

脅迫・恐喝レビューへの対応を誤ると、証拠が消されたり、逆に訴えられるリスクがあります。以下のNG対応は絶対に避けてください。

NG対応1: 金銭を支払う

対応フローチャート

相手から「10万円払えば低評価を消してやる」と要求されても、絶対に「分かりました。お支払いします」と応じてはいけません。

恐喝に応じると、さらに要求がエスカレートします。支払った事実が証拠となり、「示談が成立した」と主張されることもあります。また、他の恐喝犯を呼び込むリスクもあります。

正しい対応は、一切の金銭要求に応じないこと、警察・弁護士に相談すること、証拠を保全して削除申請することです。

NG対応2: 公開返信で反論する

「あなたの書き込みは脅迫罪に該当します。警察に通報しました」といった公開返信は避けるべきです。

このような返信をすると、相手に警戒され、投稿が削除される可能性があります。証拠が消えてしまうと、警察や弁護士に相談しても対応が困難になります。また「逆ギレされた」とSNSで拡散されるリスクもあります。さらに、公開の場での法的主張は、逆に名誉毀損で訴えられる可能性もあります。

正しい対応は、公開返信は一切せず、静かに証拠を保全し、警察・弁護士に相談することです。

NG対応3: DMで脅し返す

「お前を訴えてやる」「警察に行く」とDMで送るのは逆効果です。逆に脅迫罪で訴えられる可能性があり、感情的なやり取りが証拠として残り、不利になります。正しい対応は、相手と直接やり取りせず、弁護士を通じて連絡することです。

NG対応4: 自力で投稿者を特定しようとする

「IPアドレスから住所を特定してやる」といった行為は、不正アクセス禁止法違反(刑法168条の2)に該当する可能性があります。また、住居侵入罪、ストーカー規制法違反のリスクもあります。発信者情報開示請求は必ず弁護士に依頼してください。


公開返信テンプレート(脅迫レビュー用)

脅迫・恐喝レビューには、公開返信をしないことが原則です。しかし、他の閲覧者への説明が必要な場合は、以下のテンプレートを参考にしてください。

テンプレート1: 警察に相談済み(軽度の脅迫)

この度はご意見をいただき、ありがとうございます。

お客様の投稿内容につきまして、当店としましては事実と異なる点がございます。

詳しくお話をお伺いしたく、恐れ入りますが店舗まで直接ご連絡いただけますでしょうか。

[店舗名] 店長

このテンプレートのポイントは、「脅迫」「警察」などの言葉は使わないこと、淡々と対応を伝えること、他の閲覧者に「店側は冷静に対応している」と印象づけることです。

テンプレート2: 弁護士に相談済み(重度の恐喝)

この度はご連絡いただき、ありがとうございます。

お客様からのご要望につきまして、弁護士と相談の上、適切に対応させていただきます。

今後のやり取りは、弁護士を通じて行わせていただきますので、ご了承ください。

[店舗名] 店長

このテンプレートは、「弁護士」という言葉で法的対応を示唆し、直接のやり取りを拒否します。感情的にならず、淡々と対応することが重要です。

テンプレート3: 返信しない(最も推奨)

対応フローチャート

脅迫・恐喝レビューには、返信しないことが最善です。返信すると、相手が投稿を削除する可能性があり、証拠が消えてしまいます。また、公開の場での法的主張は、逆に名誉毀損のリスクがあります。他の閲覧者は、投稿内容を見れば「異常な投稿」と判断できます。


予防策: 脅迫・恐喝レビューを受けないために

脅迫・恐喝レビューを完全に防ぐことはできませんが、リスクを減らす対策はあります。

予防策1: 顧客対応を記録する

接客時の会話内容、クレーム対応の経緯、返金・交換の記録、防犯カメラの映像など、あらゆる顧客対応を記録することが重要です。

記録することで、脅迫レビューが書かれても事実確認ができます。また、警察・弁護士への説明がスムーズになります。

予防策2: クレーム対応マニュアルを整備

クレーム対応マニュアルには、クレームの種類別対応方法、エスカレーションルール(店長・本部への報告基準)、脅迫・恐喝を受けた場合の対応フローを含めるべきです。

マニュアルがあることで、スタッフが冷静に対応できます。感情的な対応を避け、脅迫を誘発しないようにすることができます。

予防策3: 口コミ監視ツールの導入

脅迫レビューは、投稿後すぐに証拠保全する必要があります。推奨ツールとして、Googleアラート(無料)、レピュ研(月額2万円から)、クチコミル(月額1万円から)があります。

これらのツールを導入することで、投稿されたらすぐに通知が届き、証拠保全が迅速にできます。

予防策4: 顧問弁護士との契約

脅迫・恐喝レビューは、スピードが重要です。顧問契約のメリットは、すぐに相談できること、削除申請・発信者情報開示請求がスムーズなこと、抑止力になること(「顧問弁護士がいる」と明記)です。費用は月額3万円から5万円が目安です。


脅迫レビューの判例・事例

実際に刑事告訴・民事訴訟に発展した事例を紹介します。これらの事例から、脅迫・恐喝レビューが刑事罰の対象となり得ることが分かります。

事例1: 飲食店への恐喝レビュー(逮捕)

飲食店に「10万円払わないと悪評を書く」と脅迫した事例です。店側が警察に被害届を提出し、投稿者が恐喝未遂罪で逮捕されました。判決は懲役1年(執行猶予3年)でした。この事例から、金銭要求は明確な恐喝罪であり、警察は動くことが分かります。

事例2: 美容クリニックへの脅迫レビュー(民事訴訟)

「施術ミスで顔が崩れた。慰謝料100万円払え」と投稿された事例です。クリニック側が発信者情報開示請求を行い、投稿者を特定しました。そして名誉毀損で損害賠償請求を行い、投稿者に50万円の賠償命令が出ました。この事例から、虚偽の投稿は名誉毀損で訴えられることが分かります。

事例3: ホテルへの業務妨害レビュー(刑事告訴)

「このホテルは盗撮カメラが仕掛けられている」と虚偽投稿された事例です。予約キャンセルが相次ぎ、売上が激減しました。ホテル側が偽計業務妨害罪で刑事告訴し、投稿者に罰金30万円の判決が出ました。この事例から、虚偽の風説による業務妨害は刑事罰の対象となることが分かります。


次のステップ

脅迫・恐喝レビュー対応をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。


免責

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。脅迫・恐喝レビューの対応は、必ず警察・弁護士にご相談ください。刑法の解釈や適用については、専門家の判断が必要です。

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